画像: #38 結婚の自由をすべての人に、そして母と父に愛を

ニューテーコードー、前に進め!

2月14日、朝8時半。私は1人で、霞が関の東京地方裁判所のお隣にある弁護士会館へ向かいました。この日は「結婚の自由をすべての人に」訴訟の提訴日で、札幌、名古屋、大阪、東京の4都市で13組の同性カップルたちが、国を相手に裁判を起こすため、各地の地方裁判所に集合するのです。

って。ちょ、ちょ、ちょっと待って。

13組の同性 “カップル” が集合するのに、私は “1人”。10年前から「裁判しようね♡」と言っていた当の本人である麻ちゃんは、この日、仕事の都合がつかずなんと欠席。ほかのカップルは、ネクタイを直しあったり、相手の髪を整えたりと仲睦まじげなんですけど! なんで、こうなるの~!

今日一日は、分刻みのスケジュールになります。ゲンかつぎのカツサンドを食べながら、最終打ち合わせが始まりました。

「9時半になったら、皆さんでニューテーコードーに移ります」

なんだ? そのニューテーなんとかというのは?

漢字で書くと「入廷行動」。これは、原告たちがパネルを持ってザッザッザッと列になって裁判所に向かって行進する、ニュース映像でよく流れるアレです。“アレをやるのかぁ!” と、現実感の無さに目を白黒させていると、弁護士さんがさらに追い打ちをかけるようなことを耳打ちします。

覚悟してください。すごい記者の数です。小野さんの顔出しは、新聞のみですよね? あの数のマスコミに、新聞、テレビと分けて対応することはできないですから、あらかじめテレビに備えて、マスクを着用してください

“すごい数の記者といっても、区役所に婚姻届を出した時にも、たくさんのマスコミに囲まれたし、そんなにはびっくりしないだろう” 緊張する自分にそう言い聞かせて入廷行動に向かいます。コートを脱いで入廷行動をする予定でしたが、外は「寒い、寒すぎる! 2月を舐めるな!」というレベルの冬空! コートを着て弁護士会館を出て、東京地方裁判所に向かいながら、実は私、こんなことを思っていました。

あー、前に離婚した時、お隣の家庭裁判所に行ったなー。それがまさか、今度は結婚の自由を求めて地方裁判所に来ることになるとはなぁ……。

と、霞が関一丁目の角を曲がった瞬間。私は思わず目を疑いました。東京地方裁判所の門が見えないのです。ものすごい数の記者が、門の前にいるのです。「うっ」と原告たちが息を飲んだ瞬間、一斉にカメラがこちらを向きました。このなんとも言えない感じ。“全身が総毛立つ” というのは、こういう感じをいうのでしょうか? 人生で忘れられない一日があるならば、間違いなく今日がその日になるだろうと私は直感しました。

 

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