画像: #35 原告に?その重責に耐えられるの?

息子のカノジョはメキシコ系アメリカン?

渡米中の上の子が、学校の夏休みで一時帰国しました。帰国するなり、「今週末に友達が泊まりにくるから」と言うので大慌て(コイツは、こういう子なんですよ)。家じゅうに掃除機をかけながら「誰が泊まりにくるの?」と訊けば、日本人じゃない名前。しかも「それ、女の子の名前じゃない?」と、色めきたつと、「言っときますけど、友達だよ。同じ学校の」と釘を刺されてしまいました。

彼女はメキシコ系アメリカンで日本文化を勉強しており、こちらとしては「すわ、英語か!」と身構えたのですが、日本語を勉強し始めて2年だというのにもう流暢な日本語を話します。いつまでたっても英語が話せる気配もない私と麻ちゃん(英語勉強歴30年以上……)が、がく然としたのは言うまでもありません。

そして毎回ドキドキするのが、「友達は “我が家の事情” について、大丈夫なのかな?」ということ。さすがに「もういいだろう」と思うのですが、不安が一瞬、胸をかすめます。麻ちゃんと二人揃って「うちはお母さんが二人いるのよ」と説明する? とか思っていたら、彼女はニコニコと「私、バイなんです」と言うではありませんか! そんなこともあるのかと、「私も! 同じだね!」なんて、なんだかおかしな初対面になりました。

さて今回は、いよいよ裁判に至るまでのお話です。前回、同性婚人権救済申立人になったときのことに触れましたが、それからしばらく裁判に関わる話は何もありませんでした。というのも、人権救済の申し立てを日弁連に出して以来、ずーっと “お返事待ち” という状態。その間、私たちは世田谷区の同性パートナーシップ宣誓の制度作りに仲間たちと奔走し、私の胸に乳がんが見つかり怒涛の治療生活に突入し、娘と下の息子の高校受験に娘の引っ越し、上の子の留学……と、目の回るような日々を過ごしていました。

ようやく一段落して迎えた2018年の夏は、前夫との離婚以来、最もテンションが低かった夏でした。がん治療で体力も気力も使い果たした後の、ホルモン治療による鬱々とした日々。口を開けばひどく自虐的なことしか言えなくなっていました。そこに追い打ちをかけたのが、麻ちゃんの地方企業への転職話。地方に行く事自体が嬉しくなかったけれど、一番こたえたのが、麻ちゃんが一言の相談もないままに、地方企業の採用試験を受けていた事実でした。

落ち込んだ私をみかねて「にじいろかぞく」の仲間たちが、夏合宿に誘い出してくれました。ちょうどその年は、熊本在住の友達一家が中心となり、熊本合宿を開くことになっていたのです。我が家も家族で参加したいと思っていたのですが、子どもたちは学校の予定に追われているし、麻ちゃんも仕事で忙しく、「こうなったらひとり旅だ! 何もかも放り出して行ってやる〜〜!」と、熊本へ出発。逃げ出したのでした。

 

ご感想や応援メッセージ

掲載作品に対するご感想や応援メッセージが、こちらの送信フォームよりお送りいただけます。

なお感想以外のご質問、ご意見、ご要望、苦情などは、このフォームからお送りいただいても返信、対応ができかねますので、あらかじめご了承ください。

メッセージ送信にあたり、当社の個人情報保護方針をご確認ください。
講談社プライバシーポリシー

 

This article is a sponsored article by
''.