画像: #34 クローゼットの中からの声を聞いた

パートナー、麻ちゃんの不審な行動

「結婚の自由をすべての人に」訴訟、いわゆる同性婚訴訟の原告の一人として提訴したのは2月14日、バレンタインデーのことでした。それから早いもので3ヵ月。ちょっと忙しくなったものの、生活はあまり変わっていません。仕事して、毎朝似たような弁当を作り、洗濯物がすぐ山積みになる毎日です。

覚悟のうえで新聞にも出たけれど、周りの人は気づいていないのか、何もなくてかえって驚いています。いや、もしかしたら気づいていながら、そっとしておいてくれているのかもしれませんね。

さて、前回は「GID・法律上も父になりたい裁判」のお話でしたが、今回は2013年から2015年あたりのお話です。なかなか今回の訴訟までたどり着きませんが、訴訟に至るまで本当にいろいろなことがあったのです……。もうしばらく前段階のお話にお付き合いください。

結婚式の後、私が子育てをするLGBTファミリーを支援する「にじいろかぞく」を立ち上げて右往左往していた頃、パートナーの麻ちゃんは、コツコツと各方面に働きかけを始めていました。一般にレズビアンカップルというのはとても仲が良く、なにをするにも常に一緒というカップルが多いなか、私と麻ちゃんは安定のバラバラ。一人活動です……。

麻ちゃんの一人活動が始まったのは、結婚式からしばらくしてからです。私が「結婚式をしよう!」と持ちかけた時は、「結婚式コスプレか!」と、さんざんバカにしたくせに、いざ結婚式をやってみると大変感動したらしい麻ちゃん。「LGBTの人も、どんどん結婚式をやるといいよね〜!」と言いだしたのです。こちらとしては “してやったり!” という気持ち半分、あまりの豹変ぶりに “なんだそれ〜” と言いたい気持ち半分でしたが、麻ちゃんはやると言ったら即行動の人です。あっという間に「LGBTも『結婚式』したい」というブログを立ち上げて交流会を開いたり、結婚式をした人たちにインタビューを始めたのです。“「ロマンティックとか興味ない」と言っていたのに、やっぱりそういうのが好きなんじゃない〜” なんて軽く思っていた私でしたが、麻ちゃんの様子はそんな軽さとはまた違っていたのです。

「LGBTが結婚式するって、それだけで社会的承認になるし、いろんな人にカミングアウトすることにもなるし、だいたいお金が動くじゃない。経済効果だよ! 経済効果があるものは、世の中が注目するんだよ。経済の面から同性婚法制化にひとつの “駒” を置き……。資本主義がぁ……(ブツブツ)」と、布団に入ると、毎晩のように延々と暑苦しく語ってきます。

ロマンティックかと思っていた結婚式は “駒” だったのね。うん、麻ちゃんはブレない……。

さすがは結婚式の数日後に、「いつか裁判しようね♡」と言い放った人。“やっぱり目指すは同性婚法制化なのね” と、私が遠い目になったことは言うまでもありません。

 

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