画像1: 【後編】子供の脳が萎縮・変形する前に…感情的に接したとき、何をすべきか。

▼前編はこちら

 

虐待を受けている子供たち

――前回、愛着を形成するには子どもが3歳になるまで、振り回される大人が必要だと伺いました。でも時には躾として叱らなければならないこともあります。

杉山:小さな子どもは泣きわめいて自己主張するのが正しい姿です。だからと言って、何でもかんでも自由にさせるのはちょっと違う。間違いをきちんと正しながら、付き合うことです。ただ、子どものわがままに対して逆上したり、体罰を与えてはいけません。

 それは虐待が愛着障害、つまりは発達障害を引き起こす原因になっているからです。いまや子どもの2~3割が発達障害を抱えている可能性があるとお話ししましたが(前編参照)、子どもの虐待件数も驚くほど増えています。普通、子どもは親といる時が一番安心できるはずです。しかし、親から虐待やネグレクトを受け続けている子どもは、親といる時は常に緊張を強いられることになる。そういう状況で育つとフラッシュバックを起こしたり、脳が萎縮、変形したりしてしまうこともあるんです。

――脳にまで影響を及ぼすとは……。具体的にどのようなことが起こるのでしょうか。

 持続的な体罰によって、前頭前野という考えることを司る部位が萎縮します。昨今のスポーツ界を見ていますと、体罰指導が当たり前だった時代の体育会系の人の中にすごく単純な考え方しかできない人がいるのは、その影響ではないかと思ってしまいます……。

ほかにもDVを日常的に目の当たりにしていると視覚野に、性的虐待を受け続けると後頭葉の萎縮が見られます。体罰や虐待は本当にあってはならないことなのです。

そもそも発達障害だけなら、本人に合わせた教育をすれば、知能レベルが高い子も低い子もそれなりに改善していきます。しかし、虐待を受けている子はあまりよくなりません。根幹に愛着の形成がないからです。私の外来には難治性と診断された子どもが紹介されてくるんですが、そのうち、何らかの虐待を受けている子が7~8割という状況になっています。

画像: 虐待を受けている子供たち

 

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