画像1: それいけ! うちの本部長 
ネスレ日本株式会社 人事総務本部長×赤ちゃん本部長対談

赤ちゃん本部長がさまざまな企業の本部長を訪問する「それいけ!うちの本部長」。今回武田本部長が訪れたのは、「ネスカフェ」や「キットカット」などの商品や「ネスカフェ アンバサダ~♪」のCMでおなじみのネスレ日本株式会社。

今回お会いする本部長・芹澤祐治さんは、現在は人事総務本部長、一昨年までは営業本部長として最大約700人(!)の部下を率いていたという本部長歴10年の大ベテラン。本部長の大先輩を前に、武田本部長も緊張の面持ちです。

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ネスレ日本株式会社 人事総務本部長×赤ちゃん本部長対談

 

違いのわかる本部長

画像1: 違いのわかる本部長

武田:はじめまして、武田です。

芹澤:本日はご足労いただきありがとうございます。芹澤です。

武田:御社の本社は神戸とのことですが、東京にもサテライトオフィスがあるんですね。オーシャンビューの素敵なオフィスで。おお、あのCMの「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」がある!

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芹澤:ここではお客様は「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」で好きなものをお飲みいただけます。ですが残念ながら、赤ちゃんはコーヒーを飲めないので……。

武田:せめて香りだけでも味わわせていただきます。

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武田:ところで、芹澤さんはマンガが大変お好きだと伺いました。

芹澤:そうなんですよ。「少年マガジン」を4歳くらいから買いはじめて。

武田:おお。私と同世代ですね。当時の「少年マガジン」だと『あしたのジョー』などを連載していた時期ですか?

芹澤:『あしたのジョー』は私が小学生のときですね。あの頃は、『あしたのジョー』『巨人の星』『墓場の鬼太郎』『無用ノ介』など「少年マガジン」の黄金期でしたよね。

武田:そうですね。私も読んでました!

芹澤:ものすごい時代でしたよね。その後は青年誌を読みはじめて、いまだに「モーニング」や「ビッグコミック」系などを読んでいます。『コウノドリ』や『フルーツ宅配便』(小学館刊)はいいですよね。

武田:本当にマンガがお好きなんですね。ちなみに私のことが描かれた『赤ちゃん本部長』というマンガがありまして……。

芹澤:もちろん存じていますよ。企業で働く者としてはすごくリアルな感じがしました。育児だけではなく、タイムリーな話題が登場しますよね。弊社も、同性のパートナーを配偶者と認める制度がありますし、育児休暇を取る男性の比率は私が育児をしていた頃に比べるとはるかに上がっています。御社と近しい部分もありそうですね。

 

父親が考える、親離れと子離れ

画像1: 父親が考える、親離れと子離れ

武田:芹澤さんは現在本社のある神戸に単身赴任中だそうで。東京のご自宅には奥様と大学生になるふたりの息子さんがお住まいだとか。かつては転勤や出張も多かったそうですが、育児にはどのような形で参加していたんですか?

芹澤:小学生くらいまでが手のかかる時期だと思うのですが、機会があるごとに外食や家族旅行に行くことは心がけていました。平日は時間を取るのが難しかったんですが、塾の送り迎えとかはしていましたよ。小さい頃はもっと手がかかるので、おむつを替えたり、搾乳してあるものを哺乳瓶であげたり。妻が忙しいので、自分ができる料理でよくチャーハンを作っていたんですけど、中華鍋でチャーハンばかり作っていたら腱鞘炎になってしまって(笑)。軟骨が硬くなってしまって手術したんですよね。

武田:ええ! そんなにですか!?

芹澤:そうなんですよ。かえって迷惑ですよね(笑)。

武田:それは張り切りましたね(笑)。ご自身の経験から、父親がすべきことってなんだと思いますか?

芹澤:男の子の場合ですけど、子どもが子どもらしい時期って小学生までだと思うんですよね。そのころはコミュニケーションがすごく大事なので、いろいろ聞いてくることに対して答えてあげたりね。だんだんと友達と過ごすほうが楽しくなったり他に興味が出てきたりして、質問してこなくなりますしね。でも、そうなったら放っておけばいいだけの話で。

武田:コミュニケーションが少なくなってくるとさびしくないですか? 私も20代の娘がいるんですが、赤ちゃんになる前は会話もほとんどなく……。

芹澤:まあ、しょうがないですよね(笑)。そういう時期になったら見守っていればいいんですよ。困ったらなんか言ってくるでしょうし。それは大体お金のことなんだけどね(笑)。

武田:私もこの間欲しいものを聞いたら車と言われましたからね……(『赤ちゃん本部長』第3話)。息子さんたちに反抗期はありましたか?

芹澤:息子はふたりとも中学受験をしたのですが、その反動からか長男は中学1年になった途端に何もしなくなりましてね。それで言い合いになって、「そんなんだったら学校やめろ!」と結構怒りましたよ。そして、中学2年のときには、当時はスマホではなくガラケーだったんですが、携帯電話の料金が4万円くらいになったんですよ。その時は目の前でバキッと折って「いい加減にしろ!」と怒りましたね。めったに怒らないんですが、やはり父親は要所要所を押さえることが役割でもありますよね。

武田:父親の威厳、ですね。

画像2: 父親が考える、親離れと子離れ

芹澤:長男が小さいとき、週末はあちこちに連れて行ったんですよ。初めて歩けるようになったときに公園の芝生を歩かせたら、芝のチクチクで足の裏が痛くて泣いてね。今でも覚えていますよ、情けないような可愛いようなね。そういう一瞬というのは記憶に残るんですよね。ただ、親の視点で覚えているのはその「かわいい一瞬」かもしれませんが、子どもの視点ではおそらく「ケータイを折られた」という記憶なんだと思います。

彼らが「お父さんはあの頃忙しかったのにいろいろなところに連れて行ってくれた」と肯定的に思ってくれるのは、私を故人として偲ぶ時くらいかもしれません(笑)。それでも子どもと過ごした時間が自分の思い出になり、彼らにとってもそれが記憶に残る出来事になるなら、やはりできるだけ一緒にいて時間を共有したほうがいいですよね。

武田:そうですよね。私は妻と離婚して一緒にいられなかった時間も長かったのでその言葉が身にしみます。振り返ってみてやっておいてよかったなと思うことはなんでしょう?

芹澤:勉強する習慣や本を読む習慣ですかね。基本的な習慣は、小さいころ徹底的にやらせておいてよかったかなと思います。あとは、なんとなく数字に強くなるかなと二桁の九九を無理やり覚えさせようとしたり。僕が教えるから最初は一緒に覚えていたんですけど、だんだん自分はわからなくなって子どもまかせになって(笑)。

武田:二桁の九九ってはじめて聞きました。

芹澤:インドでは普通と聞きましたよ。

武田:インド式の教育!(笑)。さすがですね。

芹澤:上の子には厳しく教えたんですけど、その反動からか文系になってしまったんですがね(笑)。

 

部下はなんと700人! 営業本部長時代のあれこれ

画像1: 部下はなんと700人! 営業本部長時代のあれこれ

武田:芹澤さんが子育てをされていたのは10年前くらいでしょうか。その頃、御社では育児休暇を取得する男性社員はいましたか?

芹澤:その時期私は営業にいたのですが、そういう実感はなかったですね。制度があることを知ってはいても「育児休暇って男が取るの?」みたいな風潮はまだありましたよね。

武田:そうですよね。現在御社では、男性はどれくらいの期間、育児休暇を取得できるんですか?

芹澤:育児休業は男女ともに最大10日間は有給となります。それで男性の育児休暇の取得率が上がったんですよ。子供が1歳に達した後の4月末まで取得できるんですが、最近の傾向としては、1歳になるのを待たずにできるだけ早く復帰したいという人が増えてきていますね。

武田:出産後も働きたいという女性は増えていますもんね。御社は海外から来た社員もいらっしゃると思いますが、育児の話はされますか?

芹澤:育児に特化した話はしないですけど、やはり彼らは家庭を大事にしていて、仕事とプライベートをはっきりわけていますよね。弊社はワークライフバランスを推進していますが、それは海外の発想なんだなと思います。個人的には、そういったことが充実してきたのはここ10年くらいかなと思います。

武田:ワークライフバランスは浸透しているんでしょうか?

芹澤:徹底していますよ。いまは原則19時までに退社することに取り組んでいます。ほとんどの人が19時には退社します。私が営業本部長だった頃はどちらかというと「結果をもっと出そう!」という発想だったんですよ。以前は、「サンクチュアリ」と呼ばれる19時以降仕事をする人が集まる部屋を残したんですよ。そうしたら、みんながそこに来るようになってしまったんです(笑)。

武田:「サンクチュアリ(聖域)」という名前もすごいですね(笑)。

芹澤:そういうのがあるとだめなんですよ。だから、例外は認めないで帰ることを徹底しないとね。

武田:弊社も見習わないといけませんね。早く退社するためには業務内容や業務量も変えていかないといけませんが、具体的にはどのように?

芹澤:まず、不必要な仕事はしない。そして、仕事もすべて洗い出して、本当に必要なのかという見直し作業をやらないといけませんよね。仕事はそのままでただ早く帰れというだけではだめですよね。

武田:無駄を削ぎ落として、足りない分は補充すると。

芹澤:そうですね。営業のときにやったのは、顧客のカバー体制を見直すこと。例えば、今まで定期的に顧客訪問をしていたのがお互いに本当に必要なのか。そういう見直しをしないと個人の仕事は変わらない。それを数年かけてやりました。特に営業の見直しは大変ですよ。放っておくと担当もお客様のところに行きたくなってしまうんですよ。

武田:営業だったらお客様がいなくなったらどうしようという不安もありますもんね。

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芹澤:何かをして心配するのであればいいのですが、やる前に心配をしてしまうんですよね。その “what if” という話は、まずやってみたらとアドバイスします。やってみて本当にだめだったらもう一回カバーすればいい。何でもボトムアップで聞いていると結局動かないことが多いので、ある程度トップダウンで動き出すまではやる。あとはみんなで考えなから進めていくのが大事ですね。特に新しいことはみんなの意見をひとつひとつ聞いていたらまとまらない。やはり人が多い組織なので動き出したら止まらないんですよ。方向を変えようとするのはすごく大変なことなので、最初に動き出すまでが大事だと思います。

武田:なるほど、勉強になります。昨年からは人事総務本部長に就任されたということですが、大きな変化はありましたか?

芹澤:営業は目標が数字なのですごくわかりやすいのですが、人事の場合は制度を変えるというのがひとつの仕事としてあるんですけど……取り扱いに注意しなければならない仕事が多いんです。ここでお話できることだと、ワークライフバランスの推進の一つとして有給休暇の消化を奨励するとか。

例えば、今年のゴールデンウィークは5月1日と2日を休めば9連休になったので「1日・2日は積極的に休みましょう!」と呼びかけるとか。こういうのはいい仕事ですね(笑)。

武田:(笑)人に優しい面と厳しい面があるので、人事の仕事は難しいですね。では、最後に。もし芹澤さんがある日突然赤ちゃんになっていて出社したら、部下のみなさんはどのような反応をすると思いますか?

芹澤:まあ、戸惑いつつも「俺たちだけでなんとかしよう」とやってくれると思いますけどね。ただ、「赤ちゃんになった時点で使えない」「いてもらってもしょうがない」という声も出るような気がします(笑)。だから武田さんのところのような感じにはならないような気がしますよ。

そして、武田さんのところはお嬢さんがお世話をしてくれていますが、うちの息子たちは世話してくれなさそうですね。妻がしてくれると思うのですが……そうなったら、もはや介護ですよね(笑)。

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PROFILE

芹澤 祐治 Yuji Serizawa
ネスレ日本株式会社 常務執行役員 人事総務本部長
大学卒業後、1984年ネスレ日本株式会社に入社。ネスレUSAでの海外勤務やペリエジャポン株式会社への出向などを経て、2008年に常務執行役員 営業本部長に就任、2017年より現職。

ネスレ日本株式会社

取材・構成/岡崎咲子 写真/柏原力

 

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