画像: 第3回 
ファッション感度も高いSTEM系のおもちゃが気になる!

女の子向けのおもちゃは、おままごとやプリンセスグッズばかり?

一度でもおもちゃ売り場に足を踏み入れたことがある人はわかるはず。男の子コーナーには冒険や実験、DIYできるおもちゃが沢山並んでいるのに、女の子コーナーはキラキラのプリンセスドレスや、人形をお世話するキット、ご飯を作るおままごとセットばかり……。

「男は外で狩りを、女は家で炊事洗濯を」といった昔話から時が止まったままのような光景。一人一人性格も異なるのだから、性差だけで趣味や嗜好を決めつけるのはナンセンス。そして、親が子どもの持つ自由な感性や好奇心を、知らず知らずのうちに奪い取っていたら哀しすぎる。

誰しもが自由に職業を選べて、生き方にも多様性が認められるこれからの時代は、男の子がプリンセスの格好をしてもいいし、女の子が科学者に憧れたっていいはず!

実は世界に目を向けてみると、第1回第2回で紹介した、海外から火がついた女の子向けのSTEM系おもちゃ(科学・技術・工学・数学の教育分野に特化したおもちゃ)がトレンドなんです。

 

手を使って組み立てることで
好奇心をはぐくむキット

2016年には、流通最大手のAmazonが「知育・学習玩具大賞」をスタートし、さらに2017年には子育て中の親たちに向けた新しいサービスとしてSTEM Club(※アメリカで展開中)をスタートしました。同サービスは、月々19.99ドルで、毎月自宅にSTEM 系の教育玩具が送られてくる仕組み。同社によると、配達されるおもちゃはAmazonが選び、子供の年齢(3〜4歳、5〜7歳、または8〜13歳の3パターンから選択)と相応するものを送ってくれます。幾多のおもちゃから何を選ぶのか? 子供の教育に関心を持つ親たちに向けたサービスとして注目を集めています。

同サービスは今のところアメリカ限定ですが、STEM系おもちゃに遅れを取っているといわれるここ日本でも、任天堂から “つくる、あそぶ、わかる” をテーマにした「Nintendo Switch」向けの工作キット「Nintendo Labo(ニンテンドーラボ)」がつい先日リリース。段ボール紙を組み立てて独創的なコントローラーをつくり、Switchを子供が仕組みを理解しながら楽しめるエンタテインメントマシンに一変させるこのキットは、子供の創造性を育むツールとしてだけでなく、親も一緒に楽しめ、学べる全く新しいおもちゃです。

Nintendo Labo」人気や、第1回第2回で紹介したポップなSTEM系おもちゃブームからもわかるように、“遊びながら学ぶ” がキーワード。
今回は、さらに見た目も可愛いおしゃれなキットをピックアップしました!

 

ファッションドール+セグウェイ風の乗り物!

「SmartGurlz」

画像: 「SmartGurlz」

SmartGurlz」はセグウェイ風のスクーターSiggyに乗せたファッションドールをスマートフォンでプログラミングして走行させるという、新しいタイプのSTEM玩具です。

デンマーク政府のSTEM教育玩具開発助成金を取得したほか、ニュルンベルク国際玩具見本市で2017年の「ガールパワー」賞を受賞するなど、注目度の高さは折り紙付き。スマートフォンやタブレット端末にインストールして使用する制御用アプリ「SugarCoded」は、Scratchや Google Blocklyによく似た、ドラッグ&ドロップでブロックを組み立てていくタイプのプログラミングソフトで、まだタイピングができない子供でも気軽に操作できそうです。

もちろんファッションドールなので、女の子たちが感情移入できるよう、キャラクター設定も凝っています! 例えば、機械工学を学び、なんでもたちどころに修理できる10代のメカニック女子ジェン、数学と鳥類学を愛する数字の魔術師マリア、コンピュータサイエンスを学ぶファンキーなザラ、トレンドファッションと科学とお菓子作りを愛するアジア系女子ジュン、お絵かきと写真とDIYにいそしむガーリーなエマの5人。STEAM(Science(科学), Technology(技術), Engineering(工学), Art(美術), Math(数学))をそれぞれ象徴するドールたち、今はアメリカ国内での販売にとどまっていますが、ぜひ日本にも上陸してほしいものです。

画像: Introducing SmartGurlz™ www.youtube.com

Introducing SmartGurlz™

www.youtube.com

 

8歳以上の女の子向け
コンピュータキット

Boolean Box

画像: Boolean Box

子供向けのコンピュータ「ラズベリーパイ」(英ラズベリーパイ財団が開発した超小型のシングルボードコンピュータ)を知っていますか?

本体は5000円程度で買える名刺サイズの小さな一枚の基板。この小さな基板に、ARMベースのCPUやパソコンを構成するハードウェアの大半が詰め込まれているので、自分でモニターやマウス&キーボードなどと接続し、さらにOSや日本語フォントなどをインストールすることで、普通のパソコンと同じように使えるのです。しかも「Minecraft Pi Edition」というラズベリーパイ専用の「マインクラフト」が無料でインストールできるので、プログラミング学習用途として小学生に最初に買い与えるにはもってこいの商品です。

ただ、基板むき出しの本体はTHEメカ! というビジュアルのため、女の子の興味を引くのは正直、難しいかもしれません。また、親がこの分野にある程度詳しくないと、必要な付属品が何なのかもわからず、途方に暮れてしまう可能性も。

そこで、女の子向けのプログラミングワークショップを主宰するチームが考案したのが、このBoolean Box という女の子向けセット。ラズベリーパイ本体のほかに、ポップな色のワイヤレスキーボード&マウスや電源、GPIO拡張ボードセット、電子工作用ブレッドボード、ワイヤー、抵抗、ボタン、LED、 OSを搭載したSDカード、テレビにつなぐHDMIケーブルと、一通りの付属品がそろっています。ラズベリーパイ単体で購入してセットアップするのは色々面倒ですが、これだけそろっていたら、すぐにパソコンとして使えるだけでなく、子供がプログラミングでLEDを光らせるくらいのこともできそうです。この商品は、『タイム』誌の2017年度「子供を賢くする玩具ベスト8」に選出されたことでも話題を集めています。

このBoolean Box開発者は、女の子たちにプログラミングを教えた経験から、女の子は卓球ゲームのようなスキルベースのゲームより、物語ベースのプロジェクトを作りたがり、共同作業を好む傾向があると感じたといいます(日本でも、女の子のプログラミング作品はストーリーものが多いです)

こうした女の子のコミュニティ志向を重視し、女の子たちのためのサイト「booleangirl.org」も用意されています。例えば、ほかの女の子のプロジェクトを見て、次にプログラミングしたいアイデアが浮かんでくることもありそう。何より自分でセットアップする体験は、コンピュータへの苦手意識を払拭してくれることでしょう!

 

クラウドファンディングから商品化!
ガーリーなDIYキットが人気

BLINK BLINK
Paper Circuit Kit

画像1: BLINK BLINK Paper Circuit Kit
画像2: BLINK BLINK Paper Circuit Kit

※こちらの商品は公式HP(BLINK BLINK)で22ドルで販売中です。

昔、少女漫画誌に付録としてついてきた組み立て式のおもちゃ。図画や工作の授業は苦手だったけれど、漫画誌の付録のキットをひとつひとつ組み立てる時間はとっても楽しく、ワクワクしていた。そんな懐かしい記憶が呼び覚まされたきっかけはBLINK BLINKPaper Circuit Kitを目にしたから。“STEM” という単語とはギャップのあるガーリーなデザインが目を引くこの商品は、“子供が科学技術のコンセプトを学ぶことができる点滅ブリンクキット”。

ボックスには、DIYできる折り紙/ペーパーランプ/銅テープ/プロジェクトレシピカードと、光が点滅する回路を設計するのに必要なツールがすべて入っています。そしてレシピ通りに順を追って作製していくとカードが点滅する仕組み!

このBLINK BLINKというプロジェクトを立ち上げたのは、ニューヨークの名門大学、パーソンズ・スクール・オブ・デザインで教授をつとめるニコール氏と、同じくパーソンズ・スクール・フォー・デザインを卒業した後にグラフィックデザイン/ブランディング/マーケティング戦略デザインを学んだアレックス氏の女性2人組。

彼女たちは、「子供たちに基本的な回路理論に親しんでもらうためには子供自身の手でDIYしたりデザインしたりすることが大事」だと考え、遊びながら科学技術のコンセプトを学ぶことができる点滅ブリンクキットを設計しました。

このPaper Circuit Kitのほかにも、目が点滅する組み立て式の折り紙のコウモリや、ライトアップするハロウィンカード、トナカイの鼻が赤く点滅するニット……などユニークな商品を展開しています。

トナカイの鼻が赤く点滅するおちゃめなキットや、目が点滅するコウモリなど、見ているだけでもワクワクします!

画像3: BLINK BLINK Paper Circuit Kit

ニットがキラキラ点滅するキットも!友達同士でつくるのもおすすめ。

こうした、ポップなデザインの回路素材を提供してDIYやアート&ファッションプロジェクトを楽しむ手助けをしてくれるキットは、女の子たちが創造力を駆使して工学を探求するための入り口になるはず。

 

Text:Hidemi Horikoshi、Shiho Kodama

 

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