画像: #11 赤江珠緒さん

今月の人。

画像: 今月の人。

( フリーアナウンサー )
赤江珠緒さん

1975年、兵庫県生まれ。神戸女学院大学 人間科学部卒業後、1997年に大阪・朝日放送入社。2003年6月、テレビ朝日『スーパーモーニング』の司会を担当することになったため、東京支社に転勤。2007年3月フリーとなる。
 
私生活では2008年に結婚。2017年3月に産休に入り、7月に第一子となる長女を出産。2018年4月、パーソナリティーを務めるTBSのラジオ番組『赤江珠緒 たまむすび』に1年ぶりに復帰し、活動を再開した。

 

0歳の赤ちゃんも
夢中になってしまう!
かわいらしい子猫たちと
シンプルなストーリー

『にゃん にゃん』

画像: 『にゃん にゃん』

作:せなけいこ ¥900/福音館書店

白、黒、トラ、ミケ、ブチの5匹のかわいい子猫たち。猫が大好きな女の子が「一緒に遊ぼう」と抱っこしようとすると、子猫は腕から逃げてしまいます。子猫たちが駆けて行った先で待っていたのは、大きなお母さん猫。みんなそろって「にゃんにゃんにゃん」と嬉しそうに、おっぱいを飲みます――。柔らかい毛の感触が伝わってくるような、貼り絵で表現された猫たちが魅力的。はじめての物語絵本として、小さな子にぴったりの絵本。

「8ヵ月の娘の今一番のお気に入りです。他の絵本は、まだ見ているだけみたいな感じなんですけど、この絵本を読むときは、じーっと真剣に聞いています。私が絵を指さしながら、白い猫、黒い猫、トラ猫、ミケ猫……と読み進めていって、女の子に抱っこされそうになった子猫が『ぎゃあー』と逃げる場面になると、いつも必ず笑うんですよ(笑)」

 

赤ちゃんだって、好きな絵本がある!
楽しそうに反応する様子がうれしい

「父も母も本好きだったからでしょうか。本だけは『欲しい』って言えば、どれだけ買ってもいいという家でした。まぁ、本以外に、エンゲル係数も高~い家で、ごはんの量も多かったんですけど」と笑うのは、フリーアナウンサーの赤江珠緒さん。昨年、女の子を出産して、一児の母に。1年間の産休を経て、この春、仕事に復帰したばかりだ。

「うちの子が生後6ヵ月くらいの頃、そろそろ絵本を読もうかなぁと思って。できるだけシンプルな絵本はないかな? と、本屋さんに行って探したときに見つけたのが『にゃん にゃん』でした。文字の量も少ないし、貼り絵もすごくかわいくて、私自身、気に入って買ったんですが、子どもの反応は期待以上でしたね。

まわりに猫を飼っている人がいて、身近な動物だったからなのか、いつも最後まで集中して聞いています。短いけれど、ストーリーがちゃんとあるところもいいですね。読み聞かせをするときは「おおきいねこ~」のところは大きな声で、「ちいさいねこ~」のところは小さな声で読んだりして。今では娘が、これを読んで、みたいに持ってくるんです」

画像: 赤ちゃんだって、好きな絵本がある! 楽しそうに反応する様子がうれしい

お子さんがもっと大きくなったら、ぜひ読んであげたいと思っているのは、赤江さん自身が大好きだった加古里子(かこさとし)さんの絵本。生涯現役で創作活動を続け、5月2日に92歳で永眠された加古さんには、世代を超えて愛された数多くの作品がある。

「たとえば『からすのパンやさん』や『だるまちゃん』シリーズとかも好きなんですけど、私にとっての一番は『どろぼうがっこう』シリーズです。どろぼうが学校に通うっていう設定がおもしろいですし、話の展開にも大どんでん返しがあって、ちょっと落語的なんですよね。

あと、ページをめくったときの画面の切り替えが、絵コンテでいうと、テレビ的な感じなんです。すごく遠くまで俯瞰で描いているページがあるかと思えば、いきなり真っ暗闇の中で、文字だけが書いてあるページがあったりして。おまわりさんの制服など、細かいところまで凝っていて、ただかわいいだけじゃない、独特のコミカルな絵が大好きでした」

 

世界各国の昔話は、世界と自分を
結びつけてくれる “どこでもドア”

取材の途中、「今日、持ってきたんですけど……」と、赤江さんがバッグから取り出した大きな絵本は、懐かしい小学館『オールカラー版 世界の童話』シリーズの一冊。

「すべての見開きにカラフルな絵が入っていて、お話ごとに絵も変わるんですが、どの絵も本当にきれいなんですよ。すべて著名な画家の方たちが力を入れて描いているので。特にグリムやアンデルセンのお話の絵はすばらしかったですね。お姫様とか、うっとりするほどきれいで。今は絶版になっているのが残念。こういう絵本をぜひまた発行してほしいなって、しみじみ思います。うちの姉なんて、古本屋さんで探して買ったりしていますよ」

イソップ、グリム、アンデルセン、日本の昔話や民話など、誰もが知っているはずの古今東西の名作童話の数々。小さい頃に絵本で触れていなければ、詳しいストーリーを知らないまま大人になってしまうこともあるだろう。

「昔話はいいですよね。この『世界の童話』の中に、お姫様が蓮の糸で布を織るというお話が入っていて、子どもの頃に、へぇーって感激しながら読んでいたんです。そうしたら、何年か前に、海外には本当に蓮の茎の繊維で織物をしている国があると知って。『あの話だ!』って、すぐに記憶がつながりました。

ほかにも、アラビアンナイトの『シンドバッドの冒険』の絵本を小さい頃読んで以来、バグダッドは夢の都だと信じてきたので、爆破などのテロが続いているバグダッドの現状がいまだにショックだったりして……。

絵本って、自分が行ったこともない場所、見たこともない世界に自分ひとりで行けて、絵と物語が強烈なインパクトで自分の中に入ってきますよね。世界への窓が広がるという感覚。世界と自分を結びつけてくれる “どこでもドア” みたいなものだなって感じます」

 

最初からたくさん与えすぎるより、
本当に好きだと思える1冊を大切に

赤江さん自身は姉と弟がいる3人きょうだい。本だけは無制限に買ってもらえる家に子どもが3人いたおかげで、家の中はさながら図書館のようになっていたという。

「図書館ごっこが好きで、家にある本一冊一冊に、自分で “ア・123” とか書いたラベルを貼っていました。姉が本棚にある本を読むときは、私がいちいち『このカードに書いて』とか言うので、『めんどくさいわ』って言われていましたね(笑)。

だから、今の家でも、子どもが好きな本にかこまれるようにしたいなぁという気持ちがありつつ、子どもはまだちっちゃいので、たくさん与えすぎなくてもいいかなって考えています。1冊でも『これが好き!』ってハマる本ができると、急激に本が好きになりますよね。なので、最初にいきなりたくさん与えるんじゃなくて、ちょっとずつ、ちょっとずつ。それで、だんだん自分で好きな絵本を選べるようになるといいなと思っています」

 

[ 赤江さん、これもオススメ ]

おしゃれでかわいい絵にひとめぼれ!
生まれて初めて自分で買った思い出の本

『ふらいぱんじいさん』

画像: 『ふらいぱんじいさん』

作:神沢利子 絵/堀内誠一 ¥900/あかね書房

目玉焼きを焼くのが大好きなフライパンのおじいさん。新しい目玉焼き鍋が家にやってきたせいで、もう目玉焼きを焼かせてもらえなくなったおじいさんは、旅に出ることを決心します。ジャングルでヒョウに出会ったり、海で嵐にあったり、さまざまな冒険の末に、おじいさんがたどり着いた場所とは――。

「私が小学1年生のとき、自分の誕生日に、初めて自分ひとりで本屋さんに行って、たくさんの本の中から自分で選んで、自分のおこづかいで買った記念の本です。絵本というより、字の大きな児童書なのですが、堀内誠一さんの挿絵がたくさん入っていて、その絵がすごくかわいいんですよ。フライパンのおじいさんが、世界中を旅して、最後に自分の居場所を見つけるまでの話。今でも持っていますし、忘れられない一冊ですね」

 

切り絵作家・滝平二郎の画の力強さ
小さな男の子のドキドキが伝わってくる

『モチモチの木』

画像: 『モチモチの木』

作:斎藤隆介 絵:滝平二郎 ¥1400/岩崎書店

豆太は夜中にひとりでおしっこにも行けない弱虫な男の子。しかし、ある晩、腹痛に苦しむじさまを助けるため、豆太はひとりで夜の山道をひた走り、お医者様を呼びに行く――。真の勇気とは何かを問いかける感動の絵本。

「これは、子どもの頃、児童館で読んでもらった絵本です。子ども心にも、今までに見たことのない切り絵のインパクトが強くて。小さな男の子が、大好きなおじいさんのために、恐怖を耐え忍んでがんばる! というストーリーにもグッときました。クライマックス、大判の見開きページいっぱいに広がる、光り輝くモチモチの木もすごくきれいで……脳の中に刷り込まれちゃっていますね」

 

特殊能力を持つ9人のきょうだいが
力を合わせて、悪い王様に立ち向かう!

『王さまと九人のきょうだい』

画像: 『王さまと九人のきょうだい』

訳:君島久子 絵・赤羽末吉 ¥1200/岩波書店

子どものいないおじいさんとおばあさんのところに、ある日、9人も赤ん坊が生まれました。「力もち」、「食いしんぼう」、「腹いっぱい」、「ぶってくれ」、「長すね」、「寒がりや」、「暑がりや」、「切ってくれ」、「水くぐり」と名づけられたきょうだいが成長したある日、彼らの能力を怖がった王さまが、次々と難題をふっかけてきて……。中国の少数民族の間に伝わる、奇想天外で痛快な物語。

「小学生のとき、毎年出かけていた西宮市大谷記念美術館のイタリア・ボローニャ国際絵本原画展で買ってもらいました。主人公が3人とか3匹のきょうだいの話はよくありますが、9人っていうのがすごいなと。ストーリーも読んでいくと、ハチャメチャでおもしろい! “力もち” とか “食いしんぼう” という名前の子のスペックは想像できるんですけど、中には、“ぶってくれ” とか “切ってくれ” とか、もうなんじゃそれ? っていう(笑)。『今年はおもしろい絵本に出会えたな~』って大満足だった気持ちを覚えています」

 

Illustration:Yuka Hiiragi Text:Keiko Ishizuka Composition:Shiho Kodama

 

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