画像1: 承認欲求や罪悪感だけじゃない、育児アピール夫の本音

勝手に愛されている気持ちになる

夫が娘と笑顔できゃっきゃと遊んでいるのを見るのが今の私の絶景ランキング1位。大好きな夫が大好きな娘を「愛おしい!」という視線で見つめる姿を見られるなんて前世の私はどんな徳を積んだのか。ナイアガラの滝もグレートバリアリーフもマチュピチュもウユニ塩湖もあの光景には敵わないのです。

本書『そのオムツ、俺が換えます』はそんな気持ちもあって、読むといつのまにか妻目線になり、ポワポワと幸せな気持ちになる。作者の宮川さん、娘さんがかわいくって仕方ないんだなあ。奥さんのこと、大切で仕方ないんだなあ。読むとなんだか愛されているような気持ちになるのです。そして、娘さんをギュッと抱っこしたい衝動にも襲われます、かわいすぎるから。

それにしても、作中に出てくる「俺、こんなにも育児やってる!」アピールってなんだろう。勝手に “育児ポイントカード” という概念まで生み出して(笑)。承認欲求だとか罪悪感だけじゃ片付かない気がするのです。

だって、夫が「見て見て! 俺こんなに育児やってるよ!」って笑顔でアピールしてくれたら、私は「彼は育児が好きなんだ。良かった、安心できる、頼れる」ってホッとできると思うから。

「急に仕事が入ってしまった!」「娘が泣いているけどどうしても手が離せない!」そんな時サッと笑顔で「まかせて!」って子供を見てくれるんだろう。この笑顔っていうのがとても大切。子供の面倒を見てもらう時に「ごめんね」って言いたくないもの。男も女も同じ親だから、「ごめんね」じゃない。当たり前に「あ、お願い」って言いたいもの。

逆に「え〜、今ちょっと忙しいんだけどな……いいよ、見るよ」なんてしぶしぶ子供を見る夫なんかだと、どんどん頼みたくなくなるし、そしたら孤独になるし、夫のこと嫌いになっちゃうんだろう。

“育児ポイントカード” だって、その名前は間抜けだけど実は奥さんに負担をかけすぎないようにする気遣いの工夫なのかな、と感じる。ポイントを使うタイミングはちょっと間違ったりするかもしれないけど(笑)、目に見えないこのポイントはそのポイントの数だけ実際奥さんが嬉しかったり助かったりしているはずですものね。

そして、読んでいるうちに「俺、育児してるアピール」までもが照れ隠しで、本当はアピールしたいからとかじゃなくて子供がかわいくて仕方なくて、奥さんが大切で喜んで欲しいからなんだろうな、と思うように。なんて愛に溢れているんだろう。

宮川さん、私も娘の肌着のスナップボタン、「これ1つ留めるだけでいいよね」と思いながら保育園に行くときはきっちり3つ留めてます。高い服を着ている時に鼻水でべちゃべちゃの娘が甘えてきて「試されてる……!」と思いました。乳首を思いっきり嚙まれて「いってー!」ってでっかい声で叫んでしまって、その後罪滅ぼしみたいに娘をギュッてしました。北朝鮮のミサイルのニュースの度、自分の子供に命の危険があると感じて、もんのすごいストレスが溜まります。

こうやって作品を読んで、自分と夫の育児を振り返ると、また愛おしさが湧いてくるから不思議。

育児はきれいごとだけじゃなくて、大変なこと、心配なことだらけだけど、こうやって一緒に育児をする最高の相棒がいたなら、どんどこ乗り越えていけるのかもしれません。これからも宮川家の育児(まだまだオリジナル遊びを考えられるんだろうな)をこそこそ覗き見るのが楽しみであります。

 

PROFILE

犬山紙子 Kamiko Inuyama

1981年生まれ。コラムニスト、イラストエッセイスト。著書に『負け美女 ルックスが仇になる』(マガジンハウス)、『地雷手帖嫌われ女子50の秘密』(文春文庫)、『言ってはいけないクソバイス』(ポプラ社)ほか多数。

2017年に女児を出産し、育児体験者への取材記録や自身の出産体験記を収録した『私、子ども欲しいかもしれない。』(平凡社)を刊行。現在は「SPA!」「anan」「steady.」「文學界」「読売新聞」などで連載中。

 

「そのオムツ、俺が換えます」
単行本①巻 2018年3月23日発売!!

画像: 「そのオムツ、俺が換えます」 単行本①巻 2018年3月23日発売!!
画像2: 承認欲求や罪悪感だけじゃない、育児アピール夫の本音 画像3: 承認欲求や罪悪感だけじゃない、育児アピール夫の本音 画像4: 承認欲求や罪悪感だけじゃない、育児アピール夫の本音

 

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