ダニが潜むホコリを減らすことが
子どものアレルギー予防への近道

アトピー性皮膚炎や気管支ぜんそくといったアレルギー症状の緩和と予防には、まずアレルギーの原因となるもの(=アレルゲン)を除去することが重要です。

前回の記事でお伝えしたように、日本において最も注意すべきアレルゲンはダニ(特にダニの死骸やフン)。ダニがいるホコリをなるべく少なくすることが、ダニ退治の基本となります。

とはいえ、ホコリは人が住んでいるかぎり出るものです。常に家の中をすみずみまでピカピカに掃除できればベストかもしれませんが、子育てや仕事で忙しい毎日、掃除ばかりに時間をかけるわけにもいきません。

子どもをアレルギーから守るという目的のためには、まずどこから手をつければよいのでしょうか? 今回は、必ずおさえておきたい効果的な室内環境の整え方を紹介します。

 

1日の約1/3を過ごす寝室は
アレルギー症状に最大の影響を
及ぼす場所

“家の掃除” と聞いたとき、あなたは最初にどこを思い浮かべますか? リビング、トイレ、キッチン……きれいにしたい場所はたくさんありますが、実は一般的な家庭で私たちが最もダニにさらされやすい場所は “寝室” です。寝室は生涯のうち約1/3を過ごし、疲れを癒やす大切な場所。特に子どもは大人よりも寝ている時間が長いので、なおさら寝室対策が大切になってきます。

床の種類では、やはりカーペットは圧倒的にダニが多く、続いて畳、フローリングという順番になります。寝室の床は、できればカーペットや畳は避け、フローリングに。無理なら、掃除機をこまめにかけましょう。特に畳の上にカーペットを敷くのは禁物です。

さらに、寝室で床よりもダニの数がはるかに多いのは、肌に直接触れる “寝具” です。体温によって暖められ、就寝中に出る汗をたっぷりと吸い、髪や垢、フケなどもつきやすい寝具は、ダニにとって絶好の棲家。一般的に寝具には数百万匹ものダニやダニの死骸が存在しているといわれています。

寝具そのものだけでなく、寝室の空気中にもダニがたくさん浮遊しています。ちょっと寝がえりをうつだけで、リビングの8~10倍、布団の上げ下ろしをすれば、なんとリビングの1000倍ものダニが空気中に舞うことに! アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそく、鼻炎などのアレルギー症状が、夜寝ているときや朝起きたときに悪化しやすいといわれるのには、こうした理由があるのです。

 

ダニの温床である寝具の
効果的なお手入れ方法とは?

どんなにダニが多くても、布団をなくすわけにはいかないので、適切な対策が必要になります。ダニは湿気を好み、熱に弱いので、まずは毎日掛け布団を上げて、マットレスや敷布団に必ず空気を通しましょう。天気のよい休日は、布団のシーツやカバー類をはずして、直射日光に当てることも大切。布団干しを禁止している集合住宅では、布団乾燥機を利用するのもおすすめです。

ダニは死骸やフンもアレルゲンになるので、新しいカバーをかける前には、寝具の表面に掃除機をかけて、ダニを確実に吸い取っておきます。寝具のダニ除去に適切な掃除機の条件は、何よりも吸引力が強く、ツールを切り替えることによって、ハンディクリーナーとしても使えること。掃除機がけのときは、1㎡あたり20秒ほどの時間をかけて、布団の表面をゆっくり吸引するのがポイントです。

画像1: ダニの温床である寝具の 効果的なお手入れ方法とは?

ダイソンが独自に第三者機関と協力した、ぜんそく患者宅における寝具のハウスダスト実態調査では、週に1回、定期的に寝室の床と寝具の表面を掃除機がけした結果、3ヵ月後には寝具内のダニアレルゲン量が60%も減少したという結果が出ています。

画像2: ダニの温床である寝具の 効果的なお手入れ方法とは?

掃除以外の注意点としては、子どもの肌にダニが接触しないように、とにかく布団や毛布、枕をしっかりカバーしておくこと。カバーはホテルのように、綿ブロードなど目のつまった肌触りのよい素材で、ファスナーで全面をすっぽり覆えるものがおすすめです。いわゆるベビー用のガーゼのカバーでは、目が粗すぎてダニを防ぐことができません。

また、目が細かくてダニが入り込めない防ダニ布団、防ダニカバー(シーツ)といった高密度織物製寝具も有効なツール。いずれの場合も、子どもは寝ている間にたくさん汗をかくので、カバー類はこまめに洗濯することを忘れずに。

 

週1ペースの掃除機がけで
確実にダニの数が減る!

掃除の頻度を上げると、ダニの数が減る。頭では分かってはいるものの、忙しい時はなかなか掃除まで手が回らないのも事実です。はたして、最低でもどれくらいのペースで掃除をすればよいのでしょうか。

画像: 週1ペースの掃除機がけで 確実にダニの数が減る!

掃除の頻度が週1回未満だった場合と、週1~2回以上とでは、ホコリの中に含まれるダニの数がまったく違うことが分かります。週に1回、掃除機をかけるだけでも、ダニの数をかなり減らすことができるのです。ダニ対策のためには、少なくとも週1回の定期的な掃除機がけを心がけましょう。

床の微細なホコリを掃除機でしっかり吸い上げるには、あまり力を入れず、リラックスした状態で奥から手前にひいて、ゆっくり静かにかけるのがコツ。特にカーペットの場合は、掃除機を強く押しつけると、ダニが繊維の奥へと逃げ込んでしまいます。フローリングでも、勢いよく掃除機をかけると、ホコリがすぐ舞い上がって、ほとんど吸引できなくなってしまうことに。また、畳は繊維の目に沿ってかければ、内側に溜まったホコリを吸い取りやすく、表面を傷める心配もありません。

掃除機をかけるベストタイミングは、ずばりハウスダストが床に降り積もっているとき。朝、家族が起き出す前や帰宅直後などを狙って、一気に掃除機をかければ、最大の効果を発揮することができます。

 

ダニだけじゃない!?
アレルギー症状を誘発するカビ対策

あまり知られていませんが、ハウスダストや空気中には、アレルギーの原因となるカビも多く生息しています。

カビといえば、湿度が80%を超える夏に増えるというイメージがありますが、気密性が高い近年の住宅では、ハウスダストの中に溜まる耐乾性のカビが年間を通じて多くなっているのです。

バスルームやトイレなどの水回りだけでなく、リビングの床のホコリにも当たり前のように潜んでいます。

画像1: ダニだけじゃない!? アレルギー症状を誘発するカビ対策
画像2: ダニだけじゃない!? アレルギー症状を誘発するカビ対策

ダニと同様、カビも湿度が高くなると発生しやすくなるので、部屋の中の湿気を閉じ込めないことが重要です。寒い季節でも部屋を閉めきって、暖房を効かせ過ぎないように注意しましょう。

換気をするときのポイントは、窓を2ヵ所以上開けて、空気の通り道を作ること。窓が1ヵ所しかない場合は、サーキュレーターや扇風機を部屋の入り口側から窓のほうに向けて回すことで、空気を循環させます。

寝室のクローゼットもカビが生えやすい場所です。こまめにドアを開放し、ときには扇風機をつけたりして、クローゼットの中に風を通しましょう。ただし、ホコリがたまっている状態で換気をすると、かえって空気中にダニやカビがたくさん浮遊してしまうことに……。換気は掃除機がけの後のタイミングがおすすめです。

完璧に掃除することは難しくても、日頃のちょっとした心がけで、ダニやカビなどのアレルゲン量を、アレルギーが起きにくいレベルまで下げることは十分可能です。ぜんぶ排除することはできないとわりきりつつ、できる範囲で、アレルゲンをためない快適な環境を作っていきたいですね。

 

Composition:Keiko Ishizuka

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