年齢を重ねると、自然体の美しさに自信を持ち続けることは難しい。井川遥さんには、まさにこんな女性でありたい理想とも言える雰囲気が、ある。

 

衰えるのは、もちろん残念
でも抗わず、今のベストを尽くしたい

画像: ドレス¥570000、ニット¥150000/クリスチャン ディオール(ディオール)

ドレス¥570000、ニット¥150000/クリスチャン ディオール(ディオール)

「ちょっと遊びたくなって」と最近作った前髪には、誰もが憧れる女っぽさだけでなく、あどけなさや親近感もある。井川遥さんは、現在41歳。“30歳はまだまだ余裕、40歳を越えるとガクッとくる” というこわい噂も、彼女には無縁だったのだろうか。20代よりも30代、30代よりも40代、美しさのグラフは常に右肩上がりだ。

年齢的な衰えは、実感としてはあります。残念だなと思うこともあるけれど、それを無理にどうにかしようと意識するのは、あまり好きではありません。歳をとるという当たり前のことに逆らおうとするのは、潔くないというか
 

画像: 衰えるのは、もちろん残念 でも抗わず、今のベストを尽くしたい

抗わず、その年齢でのベストを尽くしていたい。確かに、彼女の美しさはそこからくる年齢とマインドのバランスのよさにあるのかもしれない。無理のない、潔い、自然体のキレイ。彼女の場所にたどり着くためには、今何を意識して、何を頑張るべきなのか。結婚、ふたりのお子さんの出産と育児、女優、モデルとしての仕事。いくつもの幸福が一挙に訪れ、多忙という大波となり押し寄せた井川さんの30代。

子育てと仕事の両立は日々綿密な調整が必要で、それは子どもの年齢や環境によって変化してきました。仕事柄コンディションを良くして挑みたいのはあるけれど、思い通りに運んだことはほぼ無かったように思います。今もそんな状況ですが。忙しさを当たり前にしていかなきゃいけない生活のなかで、万年寝不足だけれど、踏んばっていつも目覚めと共に全力投球(笑)。あれもしなきゃ、これもしなきゃと色んな情報に翻弄された20代とはうって変わり、選択肢は無くなったというか、すごくシンプルになりました。だから基本に返るようになったんだと思います。バランスの良い食事を心がけ、空き時間を見つけては体を動かす。まず体が健康でないと始まらないと実感するんです」

まるで気絶するように、一瞬で深い眠りに入るという特技を身につけたのも、この頃なんだとか。

 

疲れもダメージもためない健やかさは
気づいたらリセット、の繰り返し

最低限のやるべきこととして、井川さんが唯一日々実践しているのが “リセット” という作業。どんなに忙しい朝も必ず、41度ぐらいの熱めの湯船に、玉のような汗をかくまでじっくりと浸かる。そしてストレッチをする。

「前の日の疲れやむくみが、体に残っているのは気持ちがよくないですし、そのまま写真に写れば、あとでひどく落ち込む結果にもなる(笑)。体だけでなく、気持ちも健やかでありたい。だから、体内にたまったものは、なるべく早く外に流し出すようにしているんです」

汗をかいたり、体を動かして巡りをよくすることで、むくみがとれるだけでなく、血色もよくなり、肌がぐっと元気な感じになるのだという。

完全なるスッピンで現場入りした井川さんの肌は、ほんのり上気したように頰が色づき、何よりも健康的で、その透明感には目を見張る。メイクでは決して表現できない、ナチュラルな美しさ。ダメージに気づいたら、放置せずに、そのつどリセット。大きなトラブルが起きてからでは、修復作業が追いつかない。そのときに救いを求めたくなるのが、“無理” を他人に感じさせる類いのアンチエイジングという世界なのかも。自分らしい形の大人を志すなら、まずは日々のリセットから始めるべき、と学ぶ。

健やかで、ポジティブ。その魅力は、カメラだけでなく、周囲に向かっても放たれる。今回の撮影現場でも、初対面のスタッフが多いなか、実に気さく。本当は人見知りだという一面を覗かせながらも、スタッフの世間話にまで耳を傾けてくれたりするものだから、ご本人はさておき、現場は終始、幸福感に包まれていた。周囲を温かくする穏やかなオーラも、彼女を語る上では欠かせない。でも、自己分析によると、実は心配性でネガティブな性格なんだとか。

「いつも俯瞰で自分を見ているところがあって、仕事でもプライベートでも、特に新しく物事を始めるときには考えてしまうタイプ」

常に多くの人に評価をされる職業柄、落ち込むことも少なくはないという。それを乗り切るために行うのが、心のリセット。

「同じ失敗を繰り返さないために “今日はこれだけは” という、小さな目標を持つようにしています。周りにはクリアしたことすら気づかれないような、小さなこと。でも、私にとっては大きな進歩(笑)。その達成感の積み重ねが、新しいことを挑戦する勇気になっているのかなと思います。結果だけでなく過程を大切にすることを続けてきて、最近やっと少し気づきが増えてきたように感じています」

 

創造的で、自由に気難しくならず
漂うように生きられたら

なりたい大人の理想そのもののような井川さん。ならば、彼女がここにたどり着くまでに思い描いてきた目標はあるのだろうか? 

「人生は予測不可能で思いがけないことも起こるけれど、前に進む力を信じたいと思う。子育てや社会との繋がりによって自分を知り、成長して……。誰かと比較して突出するのでは無く、自分がよいと思ったことを信じることも大事なのだと最近思うようになりました。

そうして選び取ったものがその人のスタイルとなって歳を重ねられたら。経験や考え、生き方がいくつもの層になって魅力として顔にも表れてくるものだと思うから。丁寧に生きること。そしてセンスを磨いて、女性としてのたしなみを忘れずに歳を重ねたとき――70歳を迎えた頃、白髪をきゅっとシニヨンのように束ねて、背筋を伸ばして硬質なジュエリーを身につけて颯爽と歩いている……そんな女性が目標です。このシワ1本すら愛おしい……、今はまだそこまでの境地にはなれないけれど、そんなふうに思えるようになれたら幸せですよね」

 

PROFILE

井川遥 Haruka Igawa
1976年6月29日生まれ。女優として、数多くのドラマ・映画・CMなどで活躍中。10月14日22時スタートの日本テレビの新ドラマ「先に生まれただけの僕」にも出演。初のディレクションブランド【Herato】【loin.×Clothing ISETAN MITSUKOSHI】の限定ショップを三越伊勢丹でオープン。恵比寿三越11月1日(水)~14日(火)、伊勢丹新宿店11月8日(水)~14日(火)。

 

 
●情報は、FRaU2017年11月号発売時点のものを一部抜粋したものです。
Photo:Eiki Mori Styling:Hiroyuki Kubo(W) Make-up:Sadae Sasaki Hair:Go Utsugi(PARKS) Text:Hiromi Sakurai

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